電気通信事業登録または電気通信事業届出の後、自己回線を所有、または設備の所有者と「IRU契約」を締結して電気通信事業を始める方は、一定規模以上の場合、営業開始前に次の4つの届出を本社の所在地を管轄する総合通信局へ行う必要があります。
自らの電気通信回線設備を設置して役務を行う電気通信事業者は、電気通信役務の確実かつ安定的な提供を確保するために電気通信事業者が遵守すべき事項について、管理規程を定めなければなりません。
この届出は、自らの事業用電気通信設備について、管理の方針・体制・方法、電気通信設備統括管理者の選任に関する事項を定めた管理規程書を作成し、提出します。
自らの電気通信回線設備を設置して役務を行う電気通信事業者は、その設備の使用を開始する際に、設備が総務省令で定める技術基準に適合することを自ら確認しなければなりません。設備が、次のことに適合していることを確認できる必要があります。
・電気通信設備の損壊または故障により、電気通信役務の提供に著しい支障を及ぼさないようにすること
・電気通信役務の品質が適正であるようにすること
・通信の秘密が侵されないようにすること
・利用者または他の電気通信事業者の接続する電気通信設備を損傷し、またはその機能に障害を与えないようにすること
・他の電気通信事業者の接続する電気通信設備との責任の分界が明確であるようにすること
この届出では、設備の技術基準適合を示す自己確認用の設備構成図や説明書を作成し、提出します。
◎電気通信設備統括管理者選任の届出
電気通信設備統括管理者になれるのは、執行役員以上であり、電気通信設備の管理に関する一定の実務経験などがある方です。
自らの電気通信回線設備を設置して役務を行う電気通信事業者は、その設備の工事、維持や運用に関する事項を監督させるため、電気通信主任技術者を選任し、届け出る必要があります。
電気通信主任技術者になれるのは、電気通信主任技術者試験に合格した方、養成課程を修了した方、または専門的知識・能力を有する者の認定を受けた方のうち、電気通信主任技術者資格者証を受けている方です。
なお、選任した電気通信主任技術者は3年に一度、電気通信設備の工事や維持・運用に関する監督講習を受講する必要があります。
この4つの届出は、設備や回線を借りて事業を行う(自己回線を所有しない、設備の所有者と「IRU契約」を締結しない)場合は、貸主である電気通信事業者が届け出る設備となるため、音声伝送役務用設備、コア機能、社会的影響がある事業を除き、お手続きを行う必要はありません。また、同じ敷地内で設備を設置するような小規模の電気通信役務である場合も、手続きが不要な可能性があります。
※音声伝送役務用設備とは、アナログ電話用設備、総合デジタル通信用設備、固定電話番号を使用するインターネットプロトコル電話用設備、携帯電話用設備、特定携帯電話用設備、PHS用設備を指します。これらは、他社設備の借用でも4つの届出が必要となります。
※コア機能とは、交換機能、電気通信設備の交換機能、電気通信設備の運用・監視または保守に係る機能、通信の接続または認証に係る加入者管理機能を指します。これらは、他社設備の借用でも4つの届出が必要となります。
※社会的影響がある事業とは、100万人以上のユーザーを確保する事業などを指します。この場合、他社設備の借用でも4つの届出が必要となります。
ほかにも、電気通信事業登録または電気通信事業届出を行った事業者は、営業開始後に何らかの変更があれば随時、届出を行う必要があります。
よしひろまごころ行政書士事務所では、全国対応で電気通信事業の登録や届出に関するお手続きを代行・サポートしています。
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