届出が必要な、電気通信主任技術者とは?

電気通信事業登録または電気通信事業届出の後、自己回線を所有、または設備の所有者と「IRU契約」を締結して電気通信事業を始める方は、一定規模以上の場合、役務(サービス)の開始前に「電気通信主任技術者の選任届出」を、本社の所在地を管轄する総合通信局へ行う必要があります。

 

電気通信事業者は、自らの事業用電気通信設備を総務省令で定める技術基準に適合するよう自主的に維持するため、電気通信主任技術者を選任し、電気通信設備の工事・維持・運用の監督にあたらせなければなりません。

 

電気通信主任技術者には適合する資格者のみを選ぶことができますが、資格の種類は、事業用電気通信設備や管理する内容によって、次のように異なります。

 

【伝送交換設備及びこれに附属する設備の工事、維持及び運用が必要な場合】

・伝送交換主任技術者資格者証

 ※伝送交換主任技術者試験に合格した方などに交付されます。試験は、電気通信主任技術者として必要な最低限の専門的知識及び能力について行われます。

 

【線路設備及びこれらに附属する設備の工事、維持及び運用が必要な場合】

・線路主任技術者資格者証

 ※線路主任技術者試験に合格した方などに交付されます。試験は、電気通信主任技術者として必要な最低限の専門的知識及び能力について行われます。

 

これらの電気通信主任技術者の選任は、原則として、事業用電気通信設備を直接に管理する事業場ごととなります。 

ただし、多数の事業場が地理的・組織的に近接し、設備の巡視・点検及び検査の結果が報告できるなど、一定の条件を満たす場合は、電気通信主任技術者が一定の範囲内の他の事業場の設備も併せて監督することができます。また、設備の巡視、点検及び検査の実施には、監視カメラ、ドローン等による遠隔監視など、デジタル技術を活用することが可能です。

※業務区域が一都道府県の区域を超える場合は、設備を設置する都道府県ごとに資格者を選任しなければなりません。

 

なお、電気通信主任技術者は、事業所への常駐義務や、専任義務が課されるものではありません。

 

選任された電気通信主任技術者は、3年に一度、総務大臣が登録した機関が実施する講習を受講する必要があります。

また、電気通信主任技術者を解任する場合も「解任届出」が必要となります。

 

この電気通信主任技術者の選任届出は、設備や回線を借りて事業を行う(自己回線を所有しない、設備の所有者と「IRU契約」を締結しない)場合は、貸主である電気通信事業者が電気通信主任技術者を選任している設備となるため、音声伝送役務用設備コア機能社会的影響がある事業を除き、お手続きを行う必要はありません。また、同じ敷地内で設備を設置するような小規模の電気通信役務である場合も、手続きが不要な可能性があります。

音声伝送役務用設備とは、アナログ電話用設備、総合デジタル通信用設備、固定電話番号を使用するインターネットプロトコル電話用設備、携帯電話用設備、特定携帯電話用設備、PHS用設備を指します。これらは、他社設備の借用でも電気通信主任技術者が必要となります。

コア機能とは、交換機能、電気通信設備の交換機能、電気通信設備の運用・監視または保守に係る機能、通信の接続または認証に係る加入者管理機能を指します。これらは、他社設備の借用でも電気通信主任技術者が必要となります。

社会的影響がある事業とは、100万人以上のユーザーを確保する事業などを指します。この場合、他社設備の借用でも電気通信主任技術者が必要となります。

 

 

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