小売電気事業者の登録申請を行う場合、その必要書類に小売電気事業遂行体制説明書(様式第1の2)がありますが、この書類には「需給管理業務」をどのように履行するかを記載する必要があります。
小売電気事業者は、需要家への安定した電気の供給を行うために需要量と供給量を「同時同量」で一致させる義務を負っています。なぜなら、供給を受ける一般の方が電気を保存しておくことは困難であるためです。
小売電気事業における需給管理業務とは、電力の安定供給に必要な需要と供給のバランス、計画書作成、発電状況の監視に関する業務やシステム全般などを管理することをいいます。
具体的には、次のような業務となります。
①需要電力予測の作成(需要家の12か月の使用量の分析、需要家のスケジュールの把握、操業計画からの電力量の予測など)
②需要計画の作成(電源構成の把握、電源の過不足分の算出など)
③需要計画に基づいた電源調達及び販売計画の作成(卸電力市場での取引を含む)
④広域機関(OCCTO)への、需要・調達・販売計画の提出
⑤当日の実需要の監視、最適な運用対応
電力は、30分1コマという単位で管理する必要がありますが、需要電力の予測や計画は、1日24時間を48コマとして策定する必要があります。
太陽光や風力などの再生可能エネルギーで供給する場合は、天候や災害に応じて他の電力調達方法へ変更しなければならないこともありますし、1年を通しても、夏の猛暑日や冬の寒い日などのひっ迫した電力の需要がある時期や、需要家が法人や工場などの場合の長期休暇などによる需要が少ない時期などは、それに応じた予測や計画が必要となります。
適切な電力需給管理を行わなければ、インバランスコスト(電力供給量と需要値の予測と実際の需給量のズレによる差分を、一時的に一般送配電事業者(大手電力会社)に肩代わりしてもらうことによる費用)の負担が生じます。インバランスが発生した場合、一般送配電事業者へインバランスコストを支払わなければなりませんので、少しでもインバランスリスクを抑えるためには、より精密な需給管理が必要となります。
このように電力の需給管理業務は、事業の収支に大きく関わるとともに、正確な気象予測データの収集や分析ツールによる分析を行うなどの専門性が求められるため、小売電気事業者になる際には、需給管理業務を専門業者に外部委託するケースも多くあります(需給管理業務を外部委託することによる、小売電気事業登録も可能です)。
小売電気事業者になるために登録申請を行う際には、遂行体制説明書に需給管理業務を行う部署名や人数、体制図などの記載が必要となります(需給管理業務を外部委託する場合は、委託先の部署名や人数、体制図などが必要となります)。
よしひろまごころ行政書士事務所では、小売電気事業遂行体制説明書などの作成についても代行・サポートをしています。
全国対応で小売電気事業者の登録申請を代行・サポートしていますので、お気軽にお問合せください。
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