相対契約による供給の場合に小売電気事業のBG(バランシンググループ)に加入するメリットとは?

小売電気事業の供給電力を確保する方法の1つに「相対契約(他の発電事業者と一対一で、予め年間の購入量と価格を決める契約)」がありますが、相対契約では「BG(バランシンググループ)」による取引であることが多いです。

 

小売電気事業を行う場合は、30分単位で電力の需要と供給を一致させなければならないという「計画値同時同量制度」があります。この同時同量を守ることを「バランシング」といいます。

つまりBGとは、需要家(顧客)が必要とする電力を安定供給するため、BG内の各事業者の方が相互に支援するための仕組みを指します。

 

BGには、次の2種類があります。

 

◎需要BG

 複数の小売電気事業者の方が1つのBGを形成し、BG内で「代表契約者」を選定して、東京電力や関西電力などの大手電力会社(一般送配電事業者)と1つの託送供給契約を結ぶ仕組みです。

 BG内で需要調達計画等を作成し、BGに所属する各社の需給体制を取りまとめ、相互に支援します。

 

発電BG

 単体または複数の発電施設が発電量調整供給契約を結び、BG間で発電契約者を選定する仕組みです。

 つまり、発電施設側が形成するBGのことをいいます。

 発電施設は1つだけではなく、複数のBGに所属することができます。

 

どちらのBGも、同一の供給区域内で構成する必要があります。

 

 

小売電気事業者の方は「需要BG」に加入するかどうかを検討することになりますが、加入した場合、次のようなメリットがあります。

 

・インバランス料金が高額になるリスクが抑えられる

 電気を安定供給するための計画値同時同量が行えないとき、 インバランスコスト(電力供給量と需要値の予測と実際の需給量のズレによる差分を、一時的に一般送配電事業者(大手電力会社)に肩代わりしてもらうことによる費用)の負担が生じます。

 需要家である各家庭や小規模事業者などへの供給電力量が不足した場合、一般送配電事業者が不足分の電力供給を小売電気事業者の代わりに行うことになります。この場合、小売電気事業者は後からこのインバランスコストを一般送配電事業者へ支払わなければなりません。

 「インバランス料金」とは、このインバランスコストを支払う罰則金のことをいいます。

   販売電力量を増やしても、インバランス料金が多くなると、その支払いで利益を出すことができないケースもあります。

 BGに加入した場合は、BG内で各社が相互に支援しつつ電力供給を行うため、インバランス料金を払う機会が減り、インバランス料金が高額になるリスクが抑えられます。

 

・インバランス料金の削減により、低価格で顧客に電気を供給できる

 

・BG内の相互支援により、送電網を利用する託送料金などが抑えられる

 代表契約者がBG内でまとめて1つの託送供給契約を一般送配電事業者と結ぶため、託送料金などが割安になります。

 

・BG内の相互支援により、新規事業者の方でも顧客開拓、マーケットの拡大がしやすくなる

 

 

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