アグリゲーターとは、英語で「集約する」という意味を持つ「アグリゲート(aggregate)」からきた言葉で、電力を使用する私たち需要家のエネルギーリソースを束ね、需要家と電力会社の間に立って、需要家の代わりに電力の需要と供給のバランスコントロールや、エネルギーリソースを最大限活用できるよう取り組む事業者のことをいいます。
アグリゲーターに求められる役割には、次のものがあります。
【DR(ディマンド・リスポンス)を取りまとめる役割】
アグリゲーターは、夏の猛暑日や冬の寒い日などにひっ迫した電力の需要を抑える指令(下げDR)、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる電力供給量が需要量を上回った場合に電力の使用を増やす指令(上げDR)などを、電力会社の要請で各需要家に出す役目があります。
【DRによる電力会社からの報酬を需要家へ支払う役割】
指令を受けた需要家はDR(ディマンド・リスポンス)に協力することにより電力会社から報酬を得ることができますが、その報酬はアグリゲーターが電力会社から受け取り、需要家へ支払う仲介の役目があります。
【需要家の代わりに、卸電力市場で取引を行う役割】
アグリゲーターは、DRによって生み出された電力(節電された電力や余剰電力、いわゆるネガワット)を、需要家の代わりに卸電力市場で取引することができます。
このようにアグリゲーターは、配電事業者や小売電気事業者、需要家などの間に立ち、電力供給の調整役・仲介役として、リソースの制御や電力取引を行うことができます。
アグリゲーターとしてこれらの業務を始める場合、事業開始の30日前までに「特定卸供給事業届出」手続きが必要となります。
特定卸供給事業届出を行うためには、主に次の要件を満たす必要があります。
〈電子情報処理組織を使用する場合〉
「特定卸供給事業に係るサイバーセキュリティ確保の指針」やセキュリティガイドラインなどに基づき、社内規定やシステム構成図を提出する
〈発電事業や小売電気事業と兼業しない場合〉
発電事業者以外の供給事業者から集約し、一般送配電事業者や小売電気事業者、特定送配電事業者、配電事業者に供給する電力量が、合計1000kW以上であること
〈小売電気事業と兼業する場合〉
発電事業者以外の供給事業者から集約する電力量から、自らの小売電気事業における直近需要電力量を除いた値が、合計1000kW以上であること
〈発電事業と兼業する場合〉
発電事業者以外の供給事業者から集約する電力量から、自己の消費及び発電のために使用する電力量を除いた値が、合計1000kW以上であること
〈発電事業及び小売電気事業と兼業する場合〉
発電事業者以外の供給事業者から集約する電力量から、自らの小売電気事業における直近需要電力値並びに自己の消費及び発電のために使用する電力量を除いた値が合計1000kW以上であること
このように、特定卸供給事業届出を行うアグリゲーターは、合計1000kW以上の電力について、集約し、供給できる能力が求められます。
よしひろまごころ行政書士事務所では、全国対応で、小売電気事業者の登録申請、発電事業届出、アグリゲーターの特定卸供給事業届出などの電気事業に関する手続きを代行・サポートしています。お気軽にお問合せください。
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