食品輸入に関するお手続きの流れ

販売又は営業上使用する目的で、食品等を輸入しようとする場合、安全性確保の観点から食品衛生法第27条に基づき、陸揚げする地域を管轄する検疫所へ「食品等輸入届出」を行わなければなりません。

 

検疫所では食品衛生監視員により、適法な食品等であるかの審査や検査の要否が判断されます。

対象となる「食品等」とは、食品、食品添加物、器具、容器包装及び乳幼児用のおもちゃです。

 

食品等輸入届出を行おうとする場合、一般的には以下の手順を進める必要があります。

 

①事前調査(検疫所などへの事前相談等)を行う

 当事務所では、必要な書類が整い次第、規格基準の適合性や関係法令確認、検疫検査の必要性の有無、必要な検査内容などを調査いたします。

 【必要書類】食品、製品に関する資料

 ・原材料資料(原料や添加物、香料が何g(何%)入っているかを確認いたします)

  ※食器や容器、乳幼児用の玩具等の場合は、材質を示す資料をご用意ください。

 ・製造工程表(製法や殺菌処理方法、添加物等を確認いたします)

 ・成分分析表(含有する化学物質等を確認いたします。)

  ※食器や容器、乳幼児用の玩具等に塗料等が使用されている場合、その塗料等の成分が分かる資料をご用意ください。

 ・包装材資料(どのような効能表示か等を確認いたします)

 ・対象品の写真など

 ・対象品のカタログ、パンフレットなど

  ※事案により上記以外の情報、資料の収集が発生する場合もございます。

 

②モニタリング検査(自主検査)が必要な場合、その検疫検査の手配を行う

 事前調査の結果によっては、必要な検査ができる登録検査機関への予約手配が必要な場合があります(海外の「外国公的検査機関」による検査成績書の提出で済む場合もありますが、清涼飲料水などは通常、輸入到着後に自主検査が必要となります)。

 検疫検査を予約する際は、製品の輸入時期及び保管倉庫の確定が必要です。
 登録検査機関に支払う検査料についてはお客様のご負担となりますので、予めご了承ください。

 ※輸入時の保管先倉庫は、予め通関業者様にご確認をお願いいたします。

 

③食品等輸入届出書などを作成する

 食品等輸入届出書には、貨物の内容や容器包装の材質、積込と積卸しを行う空港または港、積込と積卸しを行う年月日、貨物の記号・番号、製造者や輸出者の情報の記載等が必要となります。

 海外から貨物を発送した後で届出書を作成しようとすると時間がかかり、輸入届や通関手続きの完了までの保税倉庫に保管する期間が長くなる場合があります。

 そのため、積込・積卸の年月日などを除いた海外からの貨物発送前で分かる内容は、貨物発送前に届出書に記載しておいたほうがスムーズです。

 

④貨物の日本への発送後、または到着の7日前から到着までの間に、食品等輸入届出を行う

 食品等輸入届出は、日本での陸揚げ場所を管轄する検疫所へ行います。
 届出後は資料を元に、およそ1~2週間程度かけて検疫所で審査が行われます。

【必要書類】輸入時期や数量の確認ができる資料

 ・インボイス、パッキングリストなど

 

⑤自主検査などの検査が必要な場合、検疫所から申請者へ検査を案内される

 届出書に記載した内容で規格基準や安全性の確認が必要と判断された場合、貨物の内容に応じた次のいずれかの検査が必要となります。

 A.検疫所または登録検査機関による「モニタリング検査(上記②の通常検査です)」

  ※輸入時や事前に行う検査であり、検査結果の判明を待たずに、輸入が可能です。ただし、検査結果が不合格の場合は回収等の措置を講じなければなりません。

 B.検疫所による「行政検査」

  ※結果が判明するまで流通させることは認められません。

 C.登録検査機関による「命令検査」または「指導検査」

  ※結果が判明するまで流通させることは認められません。

 

⑥検査不要の場合または検査で合格した場合には「食品等輸入届出済証」が検疫所から発行される

 検査で不合格となった場合、貨物を廃棄または積み戻しすることになってしまいますのでご注意ください。

 

⑦税関での通関手続きを行う

 日本の陸揚げ場所を管轄する税関へ、輸入者様自ら、または通関士や通関業者様への委託により、通関手続きを行っていただきます。

 

以上の流れで、通関後は国内で流通させることが可能となります。

なお、輸入する貨物の内容によっては、検査が初回輸入時や定期的な輸入時のみで済むものもありますが、食品等輸入届出は特に定められた食品を除いて、通常は輸入の都度に行う必要があります。

 

 

よしひろまごころ行政書士事務所では、全国対応で食品等輸入届出のお手続きをサポートしています。お気軽にお問合せください。