相続に係る費用について

1000万円の土地の登録免許税=4万円相続とは、相続人が被相続人(亡くなった方)から財産を引き継ぐことをいいます。

 

相続の手続きには、法定相続人(法律上で相続することが決まっている配偶者や血族(子や孫など))へ遺産を引き継ぐ「相続」と、遺言書などに沿って法定相続人以外の方へ遺産を引き継ぐ「遺贈」などがあります。

 

相続手続きの流れは別ページの通りですが、これを行う場合、およそ次のような費用を想定する必要があります。

 

◎死亡診断書  3,000円~1万円(病院により異なる)

 ※死体検案書の場合は、死因調査のための検案代や遺体の搬送代金、保管料などがかかるため、3万~10万円程度かかります。

 

◎戸籍謄本  1通450円(手続きごとに必要)

 ご夫婦とその間に生まれた子の単位で編成されており、同じ戸籍にいる方全員が記載された戸籍謄本(全部事項証明書)が必要となります。

 

◎除籍謄本  1通750円(手続きごとに必要)

 

◎改製原戸籍  1通750円(手続きごとに必要)

 

◎住民票  1通300円(手続きごとに必要)

 通常は世帯全員が記載された「住民票謄本」が必要となります。

 

◎印鑑証明書  1通450円(遺産分割協議書に押印した印鑑ごとに必要)

 

◎固定資産評価証明書  1通300円前後(地域により異なる)

 

◎登録免許税  評価額合計の4/1000(登記申請ごとに必要)

 ※例:評価額1000万円の土地の登録免許税=4万円

 ※持分がある場合(遺産分割協議などで複数の相続人が共有となった場合)は、持分の割合ごと

 ※登記後の内容は、登記事項証明書(1通480~600円(取得方法で異なる))で確認できます。

 

◎(土地を分筆登記する場合)地積測量図  1通450円(1筆ごとに必要)

 

 

〈相続税について〉

また、相続した後にかかる相続税も把握しておく必要があります。相続税は、遺産総額(被相続人のプラスの財産(預貯金や土地など)からマイナスの財産(債務や葬儀費用など)を引いた額)から、基礎控除額を差し引いた金額にかかります。

 

基礎控除の額は、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)の計算式で求めることができます。

 

たとえば、男性の方が亡くなって相続人が妻1人・子1人の場合は4,200万円が基礎控除額になりますので、遺産総額が4,200万円以下なら相続税はかかりませんが、4,200万円以上の場合は超えた額に相続税がかかることになります。

基礎控除額は、遺産総額の大小によって変わるのではなく法定相続人の数によって変わりますので、法定相続人の数が多ければ多いほど額が多くなり、相続税が減るということになります。

 

法定相続人の数は戸籍謄本除籍謄本改製原戸籍があれば正確に把握して基礎控除額を計算することができます。ただし、代襲相続になる場合は被相続人の孫、被相続人の甥や姪などまで相続権が移ることがありますので、基礎控除額の確認が難しくなります。正確に相続税を把握したい場合は、税理士の方へ相談されることをおすすめします。

 

なお、相続を放棄した場合は基礎控除額 計算式の「法定相続人の数」が減るのかというと、そうではありません。

相続放棄をした方は相続人とみなされず、被相続人のプラス財産もマイナス財産も一切相続しないため、当然、相続税の納付義務もありません。しかし、相続税の基礎控除額の計算には相続放棄した法定相続人の数も含めますので、相続する方は、相続放棄をした方の人数を差し引くことなく基礎控除額を考えることができます。

 

相続税には、基礎控除のほかにも、特定の要件を満たすことで納税額を減らすことができる控除や特例があります。次のようなものです。

 

◎配偶者控除

 配偶者の法定相続分または1億6,000万円までは控除されるため、相続税がかかりません。ただし、その配偶者の方本人が亡くなった後の相続税は、法定相続人の数が減って基礎控除額が下がるため、非常に高くなる恐れがあります。

 

◎小規模宅地等の特例

 土地や建物の相続税は、評価額に応じて課税されますが、被相続人が自宅として使っていた土地は、配偶者または被相続人と同居していた親族が相続すれば、最大400㎡の面積までは、最大80%まで減額した評価額で相続税を計算することができます。

 

◎未成年者控除

 18歳未満の未成年者が遺産を相続する場合、次の計算式で相続税の一部が控除されます。

 未成年者控除=満18歳になるまでの年数(1年未満は1年として換算)×10万円

 

◎障害者控除

 相続する方に障がいがある場合、相続税の負担による障がい者の方の生活資金への影響を減らすため、次の計算式で相続税の一部が控除されます。

 障害者控除=満85歳になるまでの年数(1年未満は1年として換算)×10万円(特別障害者は20万円)

 

ほかにも適用できる制度がある場合がありますので、相続税については税理士の方へご相談ください。

 

 

よしひろまごころ行政書士事務所では、遺言書の作成や相続財産の調査、遺産分割協議書の作成、その他相続に関するご相談などを承ります。

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