「農業はやめて、持っている農地を有料駐車場にしたい」
「雑貨屋を始めるため土地を購入したいけど、売主が農地を持っているので更地にしたい」
このような、農地を農地以外の用途に使おうとする場合、農地法第4条または第5条に基づく許可が必要となります。
第4条許可は自分の農地を自分で転用する場合(自己転用)に必要な許可、第5条許可は、自分の農地を他者に売り貸しし、買主または貸主が農地を他の用途に転用する場合に必要な許可です。また、農地の所有者が、一時的に資材置き場や砂利採取場に利用しようとするときでも第4条許可が必要になります。
農地法第4条または第5条の許可申請は、次のような基準に該当する場合には許可を得ることができません。
◎立地基準にある、農用地区域内農地、甲種農地、第1種農地のいずれかである
※農用地区域内農地は、農用地から除外するための農振除外申請が必要となります。
※甲種農地、第1種農地は、例外的に許可を得られる場合があります。
◎申請者が、転用行為を行うのに必要な資力及び信用があると認められない
◎申請農地について、転用行為の妨げとなる権利を有する者の同意を得ていない
◎許可を受けた後に遅滞なく、申請農地を申請に係る用途に使用できる見込みがない
◎事業の実施に関して行政庁の免許、許可、認可などの処分を必要とする場合に、その処分がなされない、または処分の見込みがない
※たとえば、宅地に転用する際に建築基準法の接道義務などを満たすために道路工事が必要な場合の道路使用・占用許可や、産業廃棄物の処分施設を建設する場合の産業廃棄物処理業許可、旅館やホテルを始める場合の旅館業許可、酒の製造を始める場合の酒類製造免許、工場を建てる場合の工場認可などです。
◎事業の施行に関して、法令(条例を含む)で義務づけられている行政庁との協議を、現在も行っている
※行政庁との協議が終わるまでは、許可を得ることができません。
◎申請農地と一体で申請に係る事業目的に供する土地を、利用できる見込みがない
◎申請農地の面積が、申請に係る事業目的からみて適正と認められない
◎申請に係る事業が、工場その他の用に供される土地の造成のみを目的としている
※農業構造の改善に資する事業目的であるなど、不許可にならない場合もあります。
◎土砂の流出または崩壊その他の災害を発生させるおそれがある
◎農業用排水施設の有する機能に支障を及ぼすおそれがある
◎その他の周辺農地に係る営農条件に支障を生じるおそれがある
◎地域における効率的で安定的な農業経営を営む者への農地利用の集積に支障を及ぼすおそれがある
◎地域の農業振興に関する地方公共団体の計画の円滑で確実な実施に支障を生じるおそれがある
◎その他地域における農地の農業上の効率的で総合的な利用の確保に支障を生じるおそれがある場合として定められている政令に抵触する
◎(一時転用の場合)農地への原状回復が確実と認められない転用である
このように、農地転用を行うことが難しい農地もありますので、農地を取得する際や転用を予定する際は、予め農業委員会などに確認や相談をしておくことをおすすめします。
よしひろまごころ行政書士事務所では、農地の売買や農地転用などに必要な、農地法に関するお手続きをサポートしています。
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