農地転用ができない農地とは?

日本の農地は、周囲の農地の状況や食料生産力、市街地との位置関係などから、農用地区域内農地、甲種農地、第1種農地、第2種農地、第3種農地などに区分されています。

 

そのうち、原則として農地転用ができない農地は次の3種類です。

【農用地区域内農地】

市町村などから、約10年間に渡り農業を推進する「農業振興地域」として指定された土地のうち、農用地の利用確保のために定められた「農用地区域」にある農地のことをいいます。

 

農用地区にある土地ですので、原則として転用は認められません。もし、この土地を住宅や資材置場などへ転用しようとする場合には、農用地から除外するための「農用地区域除外申出(農振除外申請)」手続きが必要となります。

【甲種農地】

市街化調整区域内にある農地の中でも、特に良好な営農条件を備えている農地のことをいいます。具体的には、次のような場所です。

 

・おおむね10ヘクタール以上の規模の一団の農地の区域内で、高性能な農業機械による営農に適している

 

・農業公共投資(土地改良事業など)を行って8年以内

【第1種農地】

生産性が高い、良好な営農条件を備えている農地のことをいいます。具体的には、次のような場所です。

 

・おおむね10ヘクタール以上の規模の一団の農地の区域内である

 

・農業公共投資(土地改良事業など)の対象(区域内)である

 

・傾斜、土性その他の自然的条件からみて、その近傍の標準的な農地を超える生産をあげることができる


上記の農地は原則として農地転用が認められませんが、甲種農地及び第1種農地については、農業用施設を設ける場合や、公共性の高い事業用に供する場合、一時転用することについてやむを得ない場合などに、許可されることがあります。

 

 

なお、以下の農地は必要な手続きを行うことで、農地転用が認められます。

【第2種農地】

市街地区域や市街地化の傾向が著しい区域の農地に近接する区域内、その他市街地化が見込まれる区域内にあるもので、農用地区域以外の甲種農地、第1種農地、第3種農地のいずれでもない農地のことをいいます。具体的には、次のような場所です。

 ・駅や市町村役場などの公共施設から近距離内(500メートル以内)

 

・市街化傾向が著しい区域に近接する区域内の農地で、その規模が10ヘクタール未満

 

・街路が普遍的に配置されている地域内

 

なお、農地転用目的がある農地の周辺に、農地以外の代替地がある(農地でない土地なので、農地転用をしなくても目的が達成できる)場合は、農地転用が認められませんのでご注意ください。

【第3種農地】

市街地の区域内または市街地化の傾向が著しい区域内にある農地のことをいいます。具体的には、次のような場所です。

 

・駅や市町村役場などの公共施設から至近距離内(300メートル以内)

 

・都市計画法上の用途地域が定められている区域内

 

・土地区画整理事業の施行区域内

 

・街区の面積に占める宅地化率40パーセント以上の区画内

 

・住宅や事業施設、公共施設などが連坦(れんたん)している区域内

 

 

なお、市街化区域内の農地でも、生産緑地(都市計画法によって指定された農地)の場合、指定が解除されるまでは農地転用を行うことが難しいため、ご注意ください。


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