監理団体許可申請とは、中小企業事業者の方が事業協同組合など「団体監理型」として、技能実習生(在留資格「技能実習1号」の外国人の方)を受け入れるために必要な手続きです。
この「監理団体」とは、技能実習生の受け入れを検討する企業(事業協同組合の場合は、その組合員)などの依頼に基づき、海外での技能実習生の募集、送出機関との受け入れに関する調整、その他各種手続きを行い、受入れ企業への指導及び受け入れ後の監査などを行う非営利団体のことをいいます。
監理団体許可申請を行うためには、次のような基準に適合する必要があります。
【監理団体の主な許可基準】
◎営利を目的としない法人であること
原則として、次のような非営利団体のみが申請することができます。
・商工会議所
・商工会
・中小企業団体(事業協同組合)
・職業訓練法人
・農業協同組合
・漁業協同組合
・公益社団法人
・公益財団法人
上記以外で監理団体になろうとする法人は、以下のことを立証する必要があります。
・監理事業を行うことについて特別の理由があること
・重要事項の決定及び業務の監査を行う適切な機関を置いていること
◎監理団体の業務の実施の基準に従って事業を適正に行うに足りる能力を有すること
次のことを行える体制が必要となります。
・外部役員または外部監査人による、実習実施者(受入れ企業)に対する定期監査(3か月に1回以上)
・技能実習1号の技能実習生に対する入国後講習の実施
入国後講習は、技能実習1年目の活動予定時間の6分の1以上の受講になります。
なお、介護職の場合は、合計240時間以上の日本語科目の講義と、合計42時間以上の「介護導入講習」が必要です。
・技能実習計画の作成指導(計画作成指導者、技能実習指導員の選任などを含む)
・技能実習生からの相談対応
◎監理事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有すること
◎個人情報の適正な管理のため必要な措置を講じていること
◎外部役員または外部監査の措置(選任)を実施していること
外部監査人は次の①~⑥すべてに、外部役員は②を除くすべてに適合する必要があります。
①過去3年以内に養成講習を受けている
②過去5年以内に、国内の監理団体または実習実施者(受入れ企業)の役職員、構成員になっていない
※外部役員は不問ですが、監理事業に係る業務の適正な執行の指導監督に関する専門的な知識と経験を有する者である必要があります。
③監理団体または実習実施者の配偶者または二親等以内の親族ではない
④過去5年以内に、送出機関の役職員になっていない
⑤受入れ企業の役職員または構成員と、密接な関係を有していない
⑥過去に技能実習に関して不正または不当な行為をしていない
◎基準を満たす外国の送出機関と、技能実習生の取次ぎに係る契約を締結していること
◎その他、監理事業を適正に遂行する能力を保持していること
事業協同組合の設立から監理団体許可申請までを行おうとする場合は、次のような手順で進める必要があります。
【1.事業協同組合の設立】
①設立発起人の決定、設立発起人会の開催
4人以上の中小事業者が発起人となる必要があります。
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②各発起人へ設立同意の呼びかけを行い、申請機関の審査担当からヒアリングを受ける
ヒアリングは、発起人の過半数以上の方が創立総会開催までに受ける必要があります。
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③組合員になる事業者が発起人に対して設立同意並びに出資引受けの申出を行う
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④創立総会開催日の2週間前に、組合員になる事業者へ創立総会開催の公告・通知を行う
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⑤創立総会及び理事会を開催し、理事・監事・代表理事(理事長)などを選任する
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⑥創立総会終了後、おおむね2週間以内に事業協同組合の設立認可の申請を行う
所管行政庁(発起人全員が同一都道府県内に所在する場合はその都道府県、複数の都道府県に所在する等の場合は国)に対して申請します。
認可申請後の標準処理期間は行政庁にもよりますが、およそ3週間~1か月かかります。
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⑦設立認可後遅滞なく、設立事務の引継ぎ・出資払込の告知及び徴収を行う
発起人から理事への設立事務の引継ぎと、発起人全員が遅滞なく引受けがあった出資の全部を払い込みを行います。
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⑧発起人等の出資の払込み完了日から2週間以内に、事業協同組合設立登記の申請を行う
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⑨事業協同組合の設立登記後、税務署や市町村などに対して青色申告ほかの届出を行う
【2.監理団体許可申請】
①事業協同組合の設立後、下記すべての選任を行う
・監理責任者
・技能実習計画の作成指導者
・外部監査人または外部役員
・技能実習責任者、技能実習指導員(2つを兼任可)
・技能実習生の母国語が話せる通訳人
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②技能実習生を支援するため、監理事業所を設置する
監理事業所は、技能実習生からの生活や実習に関する相談に対応する必要があるため、受入れ企業内に設置することはできません。
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③送出機関と、技能実習生の受入れ・入国前研修等の取り決めを行う
監理団体許可申請の際に、送出機関との協定書や研修委託契約書などの提出が必要となります。
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④入国後講習実施施設を決定する
講習の実施施設は、監理団体内に設置または外部に委託する必要があります。受入れ企業を講習実施施設とすることはできません。
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⑤監理費表(監理団体の業務の運営に関する規程の別表)を作成する
講習費や、送出機関に支払う職業紹介費などを考慮する必要があります。
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⑥認可法人外国人技能実習機構(OTIT)へ、監理団体許可申請を行う
監理団体許可の申請の際には、OTITへの申請手数料・調査手数料・登録免許税の添付が必要となります。申請書類は、外国人技能実習機構、厚生労働省の労働政策審議会などによって審査されます。審査の期間は通常4か月程度、最長では6か月程度かかります。書類内容の補正などが一通り終わった後、月1回(中旬から下旬)開催される厚生労働省の労働政策審議会の審議を受け、許可の要否が決定されます。
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⑦外国人技能実習機構(OTIT)から監理団体許可証の発行を受け、事業を開始する
以上の手続きで監理団体としての事業を開始できますが、外国人技能実習生の受け入れを行うためには、次の手続きも必要となります。
⑧外国人技能実習機構の地方支部へ、技能実習計画認定申請を行う
審査の期間は約1~2か月程度かかります。
⑨受入れ企業の地域を管轄する出入国在留管理局へ、在留資格認定申請を行う
審査の期間は2週間程度かかります。
⑩入管から在留資格認定証明書を受け取った後に査証申請し、技能実習生が入国する
よしひろまごころ行政書士事務所では、外国人技能実習生のビザ取得に関するご案内、ビザの取得や変更・更新などのお手続きのほか、技能実習生を受け入れるための監理団体許可申請、その前の事業協同組合の設立についても全国対応でサポートしています。お気軽にお問合せください。
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